多くの人にとってはベッドというと、洋室に置くというイメージがあると思います。90年代以降の住宅が洋をイメージして作られている事が多いですし、それに合わせてベッドその物が洋風のイメージで作られているのでしょうから、洋室に置くというイメージが定着しているんだと考えられます。そのためベッド=洋室という図式が出来上がっているのだと思いますが、だからと言って洋室にしか置いてはいけないというルールは一切ありません。
もっと言えば「和室にもベッドを置いても良いではないか」という事です。ただベッドというのは和室ではなく、先ほども書いた様に洋室をイメージして作られていますから、やみくもに置いては部屋全体のイメージに影響が出て来ます。
他にも和室に置く事で発生するデメリットというのもあったりするのです。そういった事も踏まえて、今回は「和室にベッドを置く」と題し、ベッドを和室に置く事について色々と書かせて頂きます。
和室にベッドを置くために、いくつかのポイントを把握するのが大事
和室にベッドを置いて寝ようと考えている場合には、把握しておくべきポイントがいくつかあります。というのもそのいくつかのポイントを押さえておかないと、和室において快適にベッドを使って眠る事が出来ないからです。なので今から和室でベッドを使う際に把握しておくべきポイントを挙げたいと思います。
- ベッドフレーム(ベッド本体)は木製でないといけない
- 畳(たたみ)がある事を忘れてはいけない
- 畳の上ではベッドを動かすのは難しい
- ローベッドタイプがオススメ
デザイン的に考えると、和室にオススメのベッドはベッドフレームが木製の物が良いです。というよりも木製でないといけないと言っても過言ではありません。
例えばベッド本体の材質に銅や鉄といった金属が採用されているパイプベッドやアイアンベッドとかは間違いなく和室用のベッドとしては相応しくないでしょう。これらのベッドは金属特有の無機質さがあるので、温かみが求められる和室用のベッドとしてはオススメ出来ないのです。和室が醸し出す温かみにパイプ・アイアンベッドの無機質さ、これは言い換えれば火と水、水と油という事にもなります。
それに対して木製のベッドには材質が木ですから、木特有の温かさが和室にマッチするというわけです。他にも木製のベッドはデザインの種類や商品のラインナップが豊富なので、自分の好きなベッドを選びやすいというメリットもありますから余計にオススメしたくなるのです。
和室には畳が敷いてあります。ベッドを和室に置くとなると、その畳があるという事を忘れてはいけません。なぜかと言いますと畳特有の性質に関係しているのですが、畳というのはヘコみやすいのです。洋室の場合はフローリングが採用されていて表面が硬質なので、置いただけでヘコむ事はまずありませんが、畳は表面が柔らかいので置いただけでヘコんでしまう事があるのです。特に脚付きタイプのベッドを置く場合には要注意で、その理由は基本的に脚自体が細長い事にあります。
ベッドで寝るという事は数時間の間、体重の全てをベッドに預けている事になります。そのため特に脚部分に負担が掛かるので、畳特有の表面の柔らかさと相まって、すぐにヘコんでしまうのです。畳がヘコんでしまうとベッドの脚の跡が大変目立ってしまいます(和室ですから気になってしまうという人が圧倒的に多いと思います)。もしもヘコませてしまい畳の修理を専門業者に依頼するとなると、その修理費用は畳の材質によって異なりますが、1万円から20万円台と実に幅広いです。もし畳に上質な素材が使われている場合は、極めて高額な修理費用が掛かる場合があるのです。
畳をヘコませてしまい、かつ賃貸で住んでいるという場合には退出する際に強制的に修理費用を請求される事が多いでしょう。大家さんからしてみれば「生活する上で仕方なく出来てしまった」ではなく、「畳がヘコむと分かっておきながら注意義務を怠った」とみなす事間違いないです。賃貸かそうでないにしても、畳をヘコませない様に配慮する必要があるというのは間違いありません。
ですから脚付きベッドなど、細長い脚の付いたベッドを和室に置くというのは、絶対的に避けるのが一番ですね。どうしても脚付きが良いという場合には、ホームセンターなどで売っているベッドを置く位置にゴムマット、あるいはウッドカーペットを敷いてからベッドを置いて下さい。これらのアイテムを置く事で脚付きベッドを使用しても、畳に脚跡が付きにくくなりますし、先述した畳の修理の必要性も薄れるので、絶対に覚えておくべき事ですね。
ヘコんでしまったが故に脚の跡が残ってしまうというのもそうですが、畳の上ではベッドを動かすというのは大変難しいというのもデメリットです。洋室のフローリングの場合は少し力を入れさえすれば簡単にベッドを動かす事が出来ますが、畳の場合はそうはいかないのです。畳に置いた状態でベッドを動かそうとすれば、畳自体がボロボロになってしまいます。
床板と比べるとホコリが目立ちにくいので、掃除をするためにベッドを動かす必要性をあまり感じないので、動かさない様にするのが一番です。とはいえ次第にホコリは溜まっていくので、部屋のどの位置に置くかというのを前もって決めてからベッドを置くのが賢明でしょう。前もって決めておかないと「やっぱりあそこの方が良いかな」とベッドを動かそうとして畳がボロボロになってしまう可能性が非常に高いですからね。
もしボロボロになってしまったら、脚付きベッドの脚部分によってヘコませてしまった時と同じく、畳を交換するハメになるでしょうからね。それと掃除機をかけやすくするために壁にくっ付けたりしないといった感じで、後でベッドをずらさずとも簡単に掃除を行える様な配慮を行えば尚良いです。これもまた和室にてベッドを楽しむための工夫と言えますね。
和室用のベッドとしては高さのある、簡単に言えば畳からベッド底部分まで隙間がある様な物(脚付きベッドもその1つです)よりも、隙間がなく高さが低いローベッドタイプの方がオススメです。これは理由としては脚付きタイプみたいに使用すると畳に跡が付いてしまうというリスクが限りなく薄いという以外にもあります。
というのも日本人には和室=布団というイメージが大変根強いからではないかと言われているからと考えられています。確かに昔は和室と言えば布団で寝るというのが基本だったでしょうし、それは現代においてもそうした考えが根強く残っていると思います。その影響があってか、ベッドを置くとなると高さの低いローベッドの方がしっくり来るというのは間違いないのかもしれません。事実2段ベッドやロフトベッドといったタイプのベッドは和室に向いているかと言えば、そうとは言えないですし、違和感を感じてしまうのは確かだと思います。
ただ和室に置くには見た目的にはオススメできるにしても、デメリット的な部分もあります。というのもローベットタイプはベッドから起き上がる時に腰やひざに大きな負担を掛けてしまうのです。特に腰痛持ちの人の場合は極端に低いベッドは避けた方が賢明です(なので同じローベッドでもある程度の高さのある商品を選ぶのが良いですね)。
最後に
今回の「和室にベッドを置く」は如何でしたか?
和室にベッドを置きたいな~、と考えている人の参考になれば幸いです。