すのこベッドというのをご存知ですか?
すのこベッドは、簡単に言えば細長い板を端から端まで張られたベッドです(板と板の間には隙間があります)。
少し前までは、どちらかというと日本国内においてはあまり馴染み深いタイプのベッドではありませんでしたが、近年になって注目されつつあります。
今回はそんな“すのこベッド”について紹介したいと思います。
すのこベッドについて
まず最初にすのこベッドについて簡単に説明させていただきたいと思います。
すのこベッドとは先ほども説明した通り、ベッドの天井部分に細長い板をベッドの端から端まで隙間ができる様に、簀子(すのこ)状に張られたタイプのベッドです。
天井に張っていく細長い板は厚みの薄いので原料となる木材の質が重要となります。
もちろんベッドフレームについても当然のことながら、同じことが言えます。
基本的に組み立て方式となっており、購入時はベッドフレーム・表面に張る細長い板・脚とパーツがバラバラになっているのが特徴です。
すのこベッドは体の小さい人向け
すのこベッドはベッドフレームの天井部分に張る細長い板の厚みが薄いので、体が大きい人がこのベッドで寝るのはオススメできません。
体が大きいということは細長い板に負荷が掛かりやすくなるので亀裂が入ったり、最悪ケガをしてしまうケースも考えられるからです。
そのため体の大きい人ではなく、むしろ体の小さい大人やお子さん向けのベッドなのです。
すのこベッドのメリット
今からすのこベッドのメリットを挙げたいと思います。
通気性が良い
すのこベッドは収納スペースがないのとベッドフレーム表面に隙間があるので、その分通気性が良くなるというメリットがあります。
このメリットによってマットレス自体にカビが生えにくくなるのです。
木の質感を楽しみやすい
すのこベッドは天然の木材で作られることが多いため、例えば「木の香りを楽しめる」といった木の質感を楽しめる商品が多いのです。
カントリーテイスト、あるいは北欧ビンテージの部屋にはこの手のベッドは大変マッチしやすいのでオススメです。
夏場は涼しくて寝やすい
すのこベッドは湿気がこもらない構造になっているが故に、夏場は大変涼しく寝ることができます。
通常のマットレスを使用して寝ると熱がこもって寝辛くなるので、布団を敷かずにそのままの状態で横になる、それだと硬すぎて寝辛いという場合にはベッドパッドや布団で硬さを調節するのが良いです。
すのこベッドのデメリット
今度は、すのこベッドのデメリットをいくつか挙げたいと思います。
湿気やカビを完全には防げない
すのこベッドは通気性に優れているとはいえ、それでも湿気やカビを完全に防ぐことはできません。
なので布団の下に除湿シートを敷くなどの対策を行う必要があります。
それとベッドの近くで洗濯物を干さない様にしてください(近くで洗濯物を干してしまうと、部屋の湿度が高くなってしまいます)。
きしみやすい
ベッドフレームの表面に細長い板を張っているので、きしみやすいというデメリットもあります。
ベッド用のマットレスを使えば、きしみを気にする必要は薄れます。
ですが敷き布団で寝るという場合には、きしみがどうしても気になってしまいやすいでしょう(これはクッション性が薄れてしまうことが原因です)。
破損する場合がある
すのこベッドで寝るのに適した体の小さい大人やお子さんでも、同じ場所だけに荷重をかけてしまうとベッドフレーム表面の細長い板が破損してしまうケースもあります。
なので同じ場所だけに荷重をかけないことが大事です。
原料として使われる木材について
すのこベッドはベッドフレームの天井部分に張られた細長い板の上に人が乗るわけですから、当然負担が掛かってしまいます。
そのため原料の木材がもろ過ぎてしまえば、板が割れやすくなります。
そのため天井部分の細長い板に使われる木材というのは、先述していますが非常に重要なのです。
またベッドフレームについても木材の質が高くないと、反ってきたりして変形してしまうというケースもあります。
すのこベッドの原料となる木材というのはどういった物なのか、今からその木材を挙げていきたいと思います。
桐(きり)
桐は日本の気候風土に大変マッチしている木材で、北海道の南部以南で主に植栽されております(主に福島県の会津桐や、岩手県の南部桐というのが有名です)。
家具に使われる木材としては古くから使われていることから大変有名ではありますが、国産の桐は年々希少価値が高まっているので高級木材とされているため、近年では海外産の桐を使った家具が多いです。
木材としての特徴は軽い・熱伝導率が低い・湿気に強いの3つが挙げられます。
まず最初の“軽い”という点についてですが、日本国内で取ることが可能な木材の中では一番軽くて加工がしやすいのです。
そのためベッド全体が桐で作られた物は軽くて組み立てるのが簡単というメリットがあります。
次に“熱伝導率が低い”という点ですが、これは熱が伝わりにくいということを意味します。
熱が伝わりにくいので、夏は暑くならずで冬は冷たくならず、季節ごとの温度環境に左右されません。
最後の“湿気に強い”ですが、桐の場合は湿度が高いと膨張して湿気の侵入を防いで、逆に乾燥すると収縮して通気性を良くするという性質があります。
この性質によって吸湿性が高いのです。
檜(ひのき)
檜は日本国内(福島県東南部以南)と、海外では台湾に生息している木材です。
先ほどの桐(国内産のみ)と同じく高級木材とされており、主に建築用として使われてきた有名な木材であります。
柔らかいため加工がしやすいという加工性に優れていてかつ、強度が高いというメリットもあるのです。
これは建築関係でもそうですが、家具として使用する場合においても正に理想の木材と言えます。
また柔らかく強度があるのに加えて、防腐性や虫に強いという性質も持ち併せているため、腐りにくくて虫に食われにくいというのも檜のメリットとして挙げられます。
杉
杉は日本国内の多くの地域に生息しているので、安価で手に入れやすいことから、木材の代表と言われている存在です。
軽量で柔らかいため加工がしやすいという特徴があります、それから杢目が真っ直ぐなので反りにくく、かつ断熱性に優れているため建築材として用いられることが多いです。
細胞と細胞の間に多くの水分を含ませられるという性質があるので、湿気を調整することで可能という利点もあります。
パイン材
パイン材は北米に生息している木材で、東部に生息するイエローパインと、同じく北米のカスケード山脈とロッキー山脈にかけて生育しているホワイトパインの2種類があります。
2種類のパイン材は木材としての性質が異なっているのが特徴です。
まず最初のイエローパインですが、硬質で加工しにくいというデメリットがある反面、摩擦に対する耐久性があるというメリットがあります。
次にホワイトパインですが、イエローパインと異なり柔らかく加工しやすい反面、耐久性に難があります。
両方のパイン材は異なる部分がいくつかありますが、いずれも虫に食われやすいという虫害に対する耐性がないのと、安価で入手がしやすいので家具や建築材として使われているという共通点があります。
最後に
今回のすのこベッドの記事は如何でしたか?
私個人としては魅力的なところもある一方で、使える人が限られたりするなど扱いにくい面もあるので、使う人を選ぶベッドであると感じました。